19341229致增田涉

341229致增田涉

    十二月二十日御手紙落掌。吳君に寄する手紙には意味の解りにくい処があります。少しくしました、それで意味は通ずるだらぅが倂し不相変日本的もの。実に言へば支那の白話文は今までも未だ一定の形を持って居ない、外国人に書かせば非常に困難な事です。

    『十竹齋箋譜』第一册はこれから印刷し始め来年一二月中に出来るだらぅと思ひます。出来れば早速送上。今に見本一枚呈覧。実物の紙はもぅ少し大く見本とり見栄えがよいはづです。

    上海は尙ほあたゝかい。私は時々雑誌などに書きますが検查官に消きれて滅茶滅茶。支那には日本と違って検查してから印刷に付すのです。来年からはての検查官らと一戦しようかと思って居ます。

洛文上十二月二十九日

増田学兄足下

译文

    十二月二十日惠函收到。你寄给吴君的信，其中有费解之处，我略为改动一下，这样也许通顺些，但仍然是日本式文字。实在说来，中国的白话文，至今尚无一定形式，外国人写起来，是非常困难的。

    《十竹斋笺谱》第一岫，即可开始付印，预计明年一、二月间可完成，出版后当即奉上。现先寄样张一枚呈览。实物的纸张较此略大，当然要比样张美观些。

    上海尚暖和，我时常为报刊写点文章，然经检查官删削之后，都已支离破碎。中国与日本不同，要先检查，才能付印。我似从明年起和检查官们一战。

洛文　上　十二月二十九日

增田学兄足下