19340607①致山本初枝
340607①致山本初枝
    拝啓五月廿日の御手紙をとくにいただいましたが色々なこまかい事の為めに遂に返事をおそくなりました。実にすまない事です。『文學』と云ふ雜誌は私とは何の関係もないので私を其の編輯者にして仕舞ったのは例の井上紅梅様です。先生は改造社の『文芸』にそう書いて居たのだから『日々新聞』は又彼の文章を信じて仕舞ったのでしゃう。編輯も違いものでわるいとは思ひませんが倂しそうでないのだから少し困ります。君子も閑居すれば不善をなすものです。孔子様は一生涯漫遊し其の上弟子達が沢山ついて居ましたから二三の疑ふ可き点を除けば大体よかったが倂し若し閑居すると今度は何なるか?私は実に保証出来ません。殊に男性と云ふものは大抵は安心す可きものではないので張く陸上に居ても陸上の女を珍らしがるのです。倦きが来るや否やと云ふ事は問題ですが倂し私に言はせると矢張りやかましく云はない方がよいと思ひます。上海は暑くなりました。私達の家の前へに新しい家をたてましたからさわがしくて困ります。併し転居する考も未ないです。
魯迅拝六月七日
山本夫人几下
译文
    拜启:五月廿日惠函早已奉悉,因种种琐事打扰,迟复为歉。《文学》跟我毫无关系,使我成为它的编辑者的,还是那位井上红梅先生。他在改造社 的《文艺》上这么写过,大概《日日新闻》便信以为真。当编辑也是了不起的,我并不认为不好,但不符事实,有些为难。君子闲居为不善。孔夫子漫游一生,且带了许多弟子,除二三可疑之点,大体是男性,大概都靠不住,即使在陆上住久了,也还是希罕陆上的女性。至于会不会有厌倦的时候,倒是个问题,但依我说,还是不要多加议论。上海热起来,我家前面又造了新屋,吵得没办法,但我还没有考虑迁居。
鲁迅 拜 六月七日
山本夫人几下
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